六甲山地のあじさい

六甲山地はあじさいの生育に適したいくつかの条件を備えているといわれています。

土壌の排水がよい

六甲山系の主な構成地質は花こう岩類です。 花こう岩は主に石英・斜長石・カリ長石・黒雲母などの造岩鉱物からできています。これら造岩鉱物はその膨張率が各々違うので、花こう岩は長い年月の間で細かいヒビが入りやすく風化しやすくなります。風化が進むと、その地表面は真砂土といわれる比較的粒子の大きいサラサラの土で覆われることになります。そのためこの真砂土は排水がよいのが特徴です。

湿度が高め

六甲山地は海に近く、海風が吹いて水分が入り込みやすい環境です。三宮などの市街地では晴れていても、山中では雨が降っていたり霧やもやがかかることがよくあります。

土壌が酸性を示す

上の条件の中で、土壌が花こう岩質の真砂土でできていることを説明しました。花こう岩質中の土壌水分は、酸性を示します。そのため、六甲山中に多いヤマアジサイ系のあじさいの花の色は、非常に澄んだ青色に発色します。この条件は生育の適性に直接寄与するものではありませんが、その美しさが、六甲山のあじさいの名声をより大きなものにしているのでしょう。