シーボルト(Philipp Franz Balthasar von Siebold (フィリップ・フランツ・バルタザール・フォン・シーボルト) 1796年‐1866年)はドイツ生まれの医師・博物学者です。
江戸時代に長崎・出島のオランダ商館の医師として日本へやってきました。日本人医師の育成をする傍ら、日本の風物や植物などを世界に広く紹介したことが知られています。
シーボルトは医師でありながら、自然科学などの分野にも非常に高い関心があり、様々な功績を残しています。
シーボルトは数ある植物の中でも日本の植物であるアジサイを愛したようで、彼の著書『日本植物誌(フローラ・ヤポニカ)』には、彼が日本で知り合った「オタキさん」という女性の名前からつけられたといわれる「Hydrangea otaksa(ハイドランジア オタクサ)」という学名でアジサイが紹介されています。ただ、アジサイの学名はシーボルトが命名する以前に「Hydrangea macrophylla (ハイドランジア マクロフィラ)」という名前で発表されていたのでオタクサの名前は認められませんでした。
ちなみに、ハイドランジアは「水の器・水瓶(果実の形が水瓶に似ていることから)」マクロフィラは「大きな葉っぱ」という意味です。大きな葉をして、水を好むアジサイにぴったりの名前ですね。
シーボルトは当時の西洋の最新医療技術を日本へ伝えるのと同時に、日本で生物学や地理学など多くの情報を集めてオランダに送り、日本文化の紹介などに貢献しました。日本の文化などをとても愛した人だったようです。